女性の腰痛⁄月経痛
- 女性に腰痛持ちが多い理由
- 月経痛が生じる人の体はどうなっているのでしょうか?
女性の腰痛
左
女性の骨盤「タライ型」
右
男性の骨盤「バケツ型」
女性の骨盤は、男性の骨盤とは形や強度が違います。いわゆる「腰痛持ち」は男性よりも女性の方が多いようです。それは、女性の体が妊娠出産に適応するよう造られていることと関係しています。
女性が腰痛になりやすい理由には、以下のことがあげられます。
- 毎月月経があり、周期的にホルモンで骨盤がゆるむ … 周期的にホルモンで骨盤がゆるむ
- 骨盤は胎児が成長するスペースが必要 … 骨盤がワイドな分、ぶつけやすい(外力を受ける)
- 産道確保のため骨盤がゆるむように、仙腸関節の接合面は小さい … 強固な造りでない分、歪みが生じやすい
このように、女性には不利なように見えますが、先に述べたように、腰痛はあって当り前ではありません。あきらめないでください。
月経痛
月経時や月経前後に下腹や腰の痛みで寝込んだり、就業困難など日常生活に支障をきたす場合は、病的状態といえます。産婦人科学では月経期間をスムーズに過ごすことができない原因に子宮筋腫や子宮内膜症などをあげていますが、月経痛の原因をシンプルに感性で捉えてみましょう。
月経とは … 「月経」とは、子宮という袋が内膜血の増殖でふくらみ、月経血を押し出すためにしぼむという活動です。周期こそ違いますが、血液を満たしてふくらみ、血液を送り出すために収縮する心臓とよく似ています
子宮と卵巣と骨盤の関係 … 月経の舞台となる子宮や卵巣は骨盤の底の方にあり、骨盤と靭帯というヒモでつながって位置を定めています。
月経痛の原因
「正常な子宮の月経活動」
スムーズな排血ができる
「歪んだ子宮子宮の月経活動」
排血しにくい、ひきつれて痛む
腰痛の原因と同様に、骨盤に歪み(潤滑不全)が生じると、子宮や卵巣はヒモに引っぱられて正しい位置に居られなくなり、子宮が後屈したり隣接する膀胱や腸とぶつかって捻じられて変形してしまいます。
変形した子宮では、月経の時スムーズな血液の絞り出しができないために痛みを生じるのです。それを風船を例に説明してみます。
「子宮はマリオネットとおなじ」
靭帯でつながった骨盤がずれると形が変わる(歪む)
普通にふくらませた風船の口をゆるめれば、空気はゴムの収縮力でスムーズに出ていきます。ところが捻じられた風船では、口をゆるめても空気はスムーズに出ていきません。出口が捻じれて狭くなっているからです。それでも空気を出そうとするならば、ゴムの収縮力、つまり子宮の筋肉を過剰に収縮させて、子宮内部の圧力を高め、ねじれて狭くなった出口を広げなくてはなりません。その時、子宮出口の筋肉は「縮んで、広がる」という矛盾した動きを要求されます。それがおなかの奥で、つねられるような捻じれるような痛みになるのです。特に痛みが強い時に身をよじってしまうのは、子宮の強い捻れが、体に投影されるのです。
生理痛は鎮痛薬に頼るのもよいのですが、子宮や卵巣の位置をきめる骨盤の状態が正しいかチェックしてみることも必要だと思います。