股関節の痛み
股関節は非常にデリケートな関節です。
股関節が痛くなる原因
股関節は足のつけ根の関節です。ここに痛みがあると足全体の動きが悪くなり、歩行などに支障をきたすようになります。
整形外科では股関節のレントゲン写真をとり、骨に異常がなければ鎮痛剤や温熱治療などで対応しますが、これらは痛みの感覚を抑える療法で、痛みの原因を治すものではありません。では、股関節が痛くなる原因は何でしょうか?。
骨の形が正常でも、関節に痛みがあれば「隣りの関節に異常があるのではないか?」と考える必要があります。例えば、時計は歯車がうまくかみ合っていないと狂うように、人の体も一つの関節が歪むと、連動する関節の動きが乱れはじめるのです。
股関節と骨盤は連動しています。骨盤に歪みがあると股関節の動きが乱れます。摩擦による熱が生じ、炎症になると、股関節が痛くなる、というわけです。
構造医学の治療
構造医学では、骨盤の関節と股関節の異常を一定の動きから調べ(動診)骨盤の動きを整える処置を先に行います。それだけで股関節の動きが回復することはよくあります しかし、骨盤と股関節の異常が強く不自然な動きが固定している場合は、骨盤と股関節の両方を処置します。股関節の痛みは炎症(熱)によるものですから、「生理的局所冷却療法」で熱を吸収し、股関節の正常化を図ります。
股関節の変形について
関節痛は温めても冷やしても軽減しますが、炎症(熱)に熱を追加する温熱療法は、本当に体のためになるのでしょうか。
歩行や階段の昇降時、股関節に痛みがあり、足を引きずるような場合、一般的に整形外科では、股関節のレントゲン写真を撮り、変形があれば「変形性関節症」と診断します。そして消炎鎮痛薬を処方し、温熱治療や運動療法を行います。それでも変形が進んだり痛みがおさまらないようならば、人工関節などの手術を考慮しますが、ケガ • 感染 • 先天性の原因以外、股関節が変形する原因はよくわかっていないようです。
健康な関節は摩擦が少なくきれいな形をしていますが、関節が歪むと摩擦熱を生じ、関節が炎症を起こすと痛みを感じるようになります。そうして骨が過剰の炎症熱を受け続け、骨の成分(膠質)が飴のように柔らかくなると、形が変わりはじめるのです。
構造医学の治療
多くの関節の痛みや変形は熱によるものです。温熱療法は一時的に痛みを和らげますが、関節痛が強く、骨の変形が始まっている場合は熱を加えない方がよいことになります。温熱治療の一時的な血行促進と鎮痛作用の陰には、慢性的な関節痛と骨の変形のもとになる「熱の副作用」が潜んでいるからです。
構造医学の対応は
- 股関節と連動する骨盤の関節の歪みを読み、関節の動きを整える処置を行い、過剰な熱の発生を抑る。
- 骨の変形の進行を食い止めるために「氷のう」で関節局所の熱を積極的に消す治療を行います。
手術はあくまでも最後の手段だと考え、まずは自前の股関節を手入れして、大切に使う努力をすることです。