生物の進化と成長
生物の進化とヒトの成長
地球の生物の進化や成長は、遺伝子だけでは理解、説明できません。
私たち地球の生き物は、地球の重力環境の中を移動することで進化し、成長してきたからです。
驚くべきことに人は、34億年の生物進化の歴史をリアルに再現しながら、成長するのです。
生物の進化は海の中から始まります。一つの細胞から多細胞になり、骨をともなった魚になります。この進化は母親のおなかの羊水で成長する胎児にそっくりです。そして魚のヒレが手足になり、エラが肺になって海から陸に出てきたのが両生類です。これは羊水からでてくる赤ちゃんの誕生と同じで、手足が短いためにはいずり移動になります。手足が重力に順応して丈夫に伸びてくると、ハ虫類・ほ乳類のように、おなかを擦らないハイハイの段階になり、移動は早くなります。続く、上半身を少し起こせるようになった猿の段階に相当するのは、乳児の伝い歩きです。サルは二足で歩くとヨタヨタするので、乳児のヨチヨチ歩きのようなものです。その後二足直立で歩く人類は、成人に重ね合わせることができます。では進化の原動力はなんだったのでしょうか?。
移動しながら進化する
弱肉強食の自然界では、重力環境に順応した種が生き残ることができます。それには体を支えて移動する丈夫な脚が重要になります。魚のヒレは、旺盛に使っているうちに強靱になります。そしてある時、ヒレが丈夫な手足になって上陸する種(両生類)がでてきました。短い足で懸命に陸上を移動して重力に対応すると、足が長くなった種(ハ虫類 • ほ乳類)があらわれ、やがてそれらの一部は、木登りによって上半身を起こすことができるサルになりました。では、サルからヒトへの進化はどうだったのでしょうか。
サルは森の中の木の上で暮らしていました。その森がサルでいっぱいになると、縄張り争いが始まります。負けたサルの群は森を追われ、新天地をもとめて、木のない平原を旅しなければなりません。その途上で、食料を手で持って運ぶため、慣れない二足歩行を強いられたことでしょう。そうした歩行訓練ともいえる生活をするサルの群の中から、二足歩行をするヒトの原形ができ上がってきました。
歩くことは、骨盤を旺盛に使います。その要求に応じて骨盤の形が少しずつ変化して、二足でも安定して移動できる骨盤になってきたのです。進化した新猿類を誕生させ、さらなる積み重ねが、直立二足歩行に完全適応する人類を誕生させたのです。猿からヒトへの進化は、歩行によって達成したのです。