バランスチェック
骨盤の仙腸関節の「潤滑性」が明暗を分ける
二本足で健全に立つためには、「骨盤の不断の動き」で上半身と下半身のバランスをとる必要があります。
骨盤のバランスチェック
電車で進行方向を向いて、力を抜いた「仁王立ち」をしてみてください。電車の加速や減速、横揺れに体は自然に順応できますか?上半身と腰は、常に反対方向に動いて体のバランスをとるようにできています。
- 加速時=上体は後で腰は前
減速時=上体は前で腰は後 - 右揺れ=上体は右で腰は左
左揺れ=上体は左で腰は右
電車のような絶えず揺れている環境で、瞬時に姿勢をかえてバランスをとることができる骨盤は、歪みが少ない 良い状態であるといえます。一方、うまく電車の揺れに順応できない人の骨盤は、滑らかに作動していない腰痛状態か、腰痛予備軍といえます。
腰痛=仙腸関節のトラブル
人は立つだけでなく、座っている姿勢や寝ている姿勢を持続したり、立ち座りや前かがみ、歩くなどのさまざまな動作をすることができます。それは、骨盤が常に不断の動きをして体のバランスをとっているからです。この動きの主役は骨盤の後面の仙骨と腸骨という骨がつながる「仙腸関節」で、二足で活動するヒトの最も大切な関節です。健全な腰は、この仙腸関節が滑らかな不断の動きをします。それに対して姿勢の持続や動作が円滑にできずに、腰や足に痛みやしびれがでる人の仙腸関節は、滑らかな不断の動きができない状態になっているのです。
関節の潤滑と潤滑不全
円満の極意は…つかず離れず
全ての関節は、ともに円滑な関係を保つために「付かず離れず」の適度な位置関係が不可欠です。2つ以上の骨が潤滑液をはさみ、適度な位置で円滑な関節運動をしている状態が「潤滑」です。腰痛や首、膝痛など、関節が円滑な運動をしない状態は「潤滑不全」といい、次の2タイプに分類できます。
- 離れすぎて、連係した動きのとれないタイプ
- 過剰に接触して、お互いを拘束するタイプ
では、仙腸関節が潤滑不全(腰痛)になる原因は何なのでしょうか?