症状別 原因と対処法    首⁄肩⁄腕の症状

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症状別 原因と対処法

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*肩こりは黄信号

まずは、腰痛とならんで多くの人を悩ませている「肩こり」についてからお話しします。

首や肩の痛み、疾患にも、いくつかの段階を経て悪化していく様子がみうけられます。

*肩こりの第1ステージ

肩や首が「重い • だるい • こる」

長時間のデスクワークなどによるうつむき姿勢や、普段やらない運動をしたことなどによる純粋な筋肉疲労が原因です。この段階では、休息や、正しい姿勢で歩くこと、軽く体をほぐすことなどにより、多くは症状が改善されます。

*肩こりの第2ステージ

うつむき姿勢などによるこりや負荷が首周辺に一定以上たまると、次は頭を支える首の骨の配列が乱れます。すると筋肉の疲労やこり感はさらに強まり、痛みをともなうようになります。これは肩こりの第2ステージです。このステージになると、筋肉のこりをもみほぐしても筋弛緩薬を使っても効果は一時的で、こりと痛みが再び襲ってきます。腰痛の項で述べたように、骨が正常に体の重さを支えられない状況になると筋肉が縮んで体を守るようになるからです。

電柱は自立するように根本を地面に埋めています。しかし、その地面が軟弱になると電柱は傾きます。柱を倒さないようにするにはつっかえ棒や反対側へロープでひっぱる方法があります。これは肩こりの第2ステージの様子をそのままあらわしています。
傾いた頚椎を倒さないために、首周辺の筋肉は縮んでつっかえ棒やロープの役をしているのです。脳という神経中枢を支えている頚椎が倒れると、生命に関わる重篤な状態になるからです。 第2ステージの肩こりや痛みは、頸椎周辺の筋群が本来の柔軟性を捨てて「脳を守っている姿」と理解しなくてはなりません。

*第2ステージの治療

安易に筋肉のこりを揉みほぐしたり、薬で弛緩させることは「守りを壊す」好ましくない行為です。緩められた首周辺の筋群は、脳を守るために再び縮みだしてしまいます。このステージで筋肉のこりを揉みほぐしたり、薬で弛緩させることを何回も繰り返していると、肩周辺の筋肉は簡単に緩まない頑丈な鉄板や鉄球様のこりに変貌して防衛力を強化します。抗生物質を使いすぎると、細菌の抵抗力が増強して薬が効かなくなるのと同じことです。

この段階の治療目標は、筋肉ではありません。傾いた頚椎を自立させるために、頚椎を不安定にさせた誘因を排除しながら、頸椎を支える背骨や骨盤を安定をはかる必要があります。そして、頸椎が自立できる状況が獲得できてくると、筋肉は本来の柔軟な状態に徐々に戻りはじめます。

*第3ステージ以降

肩こりが痛みをともなう第2ステージ以上に進むと、痛みのエリアは肩から背中や腕や頭へと広がり、症状も痛みからしびれ、麻痺へと変化します。

以降のステージが及ぼす典型的な症状については、次項でひとつひとつ解説していきたいと思います。

*肩こりのステージ

  1. 肩や首が「重い • だるい • こる」
  2. 肩や首が「痛い」
  3. 肩や首だけでなく、背中や腕や頭が「痛い」 … 痛むエリアの拡大
  4. 肩や首、背中や腕や頭が「痛み • しびれる」 … 頸部椎間板ヘルニア • 胸郭出口症候群 • 頸部脊椎症頸椎後縦靱帯骨化症 • 交通外傷(むち打ち症)など
  5. 麻痺 • 脳の神経、血管の疾患など

このように、1 → 5と順を追って、状態が悪化していきます。逆に回復していく時は、5 → 1という経過を辿っていくと考えてください。

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